鳥・動物の被害対策 / 暮らしの園芸図鑑
モグラで苗が浮くときの対策|トンネルと根菜の食害を分けて考える
モグラは主に土の中の小動物を食べます。苗の浮きと根菜のかじり跡を分けて調べ、根を傷めずに栽培場所を守る考え方を紹介します。

モグラ被害への対応を始める前の確認事項
- 食べ物
- モグラは根や根菜を食べません。土の中の小動物を食べ、掘ったトンネルが苗を傷める場合があります。
- 分けて記録
- 土の盛り上がり、苗の浮き、根菜の欠損を別々に記録します。穴だけで原因を決めません。
- 最初の作業
- 露出した根の周りへ土を軽く戻します。株を引き抜いたり畝全体を踏み固めたりしません。
- 再確認
- 同じ位置の写真と新しい苗の傷みを比べます。見に行かなかった日は未確認とします。
- 守る範囲
- 小さな苗床や栽培容器など、根の空間と排水を保ちながら点検できる範囲を検討します。
- 相談条件
- 被害が続く、原因が分からない、深い施工や捕獲を考える場合は自治体や栽培の相談窓口へ。
被害の状態から次の確認を選ぶ
種類を確定する診断表ではありません。姿と被害の情報を分け、分からないものは未確定として扱います。
| 今の状態 | 確認する場所 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 土の筋があるが株は元気 | 新しい隆起と株の様子 | 写真を残し観察を続ける |
| 苗が浮き根が露出 | 根元と周囲の空洞 | 土を軽く戻して回復を見る |
| 根菜にかじり跡がある | 欠損の形と周囲の痕跡 | ネズミ・土壌害虫も再確認 |
| 雨の後に土が沈んだ | 排水と踏まれた場所 | 動物以外の原因も分ける |
| 同じ苗床で被害が続く | 作物の根の広がりと範囲 | 容器等で守る区画を検討 |
| 捕獲器や地下工事を検討 | 対象・場所・目的・方法 | 購入や施工前に専門相談 |
GUIDE 01
土の盛り上がりと、野菜のかじり跡を分ける

畝に筋のような盛り上がりができ、苗が浮いたときには、地中の活動が原因の一つになります。ここで大切なのは、モグラが根菜を食べる動物だと決めつけないことです。モグラは主にミミズや昆虫などの土壌動物を食べ、トンネルを掘ることで根が傷んだり苗が倒れたりする間接的な被害があります。
一方、サツマイモや根菜の表面にかじり跡がある場合は、ネズミ類や土壌害虫など別の原因も確認します。モグラの坑道がネズミの通路になる場合もあり、土の盛り上がりと食害が同時に見つかっても、同じ動物のしわざとは限りません。
観察するときは、筋状の隆起や土塚、苗の傾きや根の露出、根菜の欠損を別々に写真へ残します。穴を見つけたからといって、畝全体を深く掘り返す必要はありません。まず表面から分かる状態を記録し、被害が広がっているかを確かめます。
穴の数を頭数に読み替えない
地中の通り道を地表の写真だけでつなぎ、何匹いると数えることはできません。盛り上がりが増えた場合も、すぐ個体数の増加とは判断しません。
土が動いた場所と作物が傷んだ場所を区別し、同じ日に見つけたものを図に記します。見えない地下の様子は推測と明記し、確かめるために巣や坑道を追って掘り進めないでください。
根菜の欠損は別の確認をする
収穫した根菜の表面と欠けた部分を、周りの土を落としすぎる前に撮影します。切断、かじり、腐れのように見える部分を記録し、写真だけで断定できなければ未同定とします。
土の中に虫が見つかった場合も、その虫が原因とは限りません。モグラを見たという情報と、作物が食べられたという情報は分けて相談してください。
雨や作業の影響も残す
雨の翌日、支柱を立てた日、除草や水やりをした日などは、土の形が変わる別の要因があります。苗の周りだけが沈んだのか、通路も同じように緩んだのかを見ます。
動物の被害と早合点して水や肥料を増やすより、乾き具合や排水も一緒に確認してください。畝の外から見える範囲でよく、足元が崩れる場所には立ち入りません。
姿が見えた場合も種類を決め急がない
地表に動物が現れたら、近寄ってつかむことなく安全な距離から様子を見ます。モグラらしい体形でも、挿絵や一瞬の目撃だけで種まで特定しません。
見た場所と時間を記録し、手元の写真が不鮮明ならその旨を伝えます。小さな動物を探すために穴へ手を入れたり、犬や猫に追わせたりする必要はありません。
GUIDE 02
苗の根を落ち着かせ、新しい変化を記録する

苗の根が露出していれば、周囲の土を戻し、根元を軽く整えます。株を無理に引き上げたり、畝全体を強く踏み固めたりすると、かえって根を傷めます。必要な水やりは通常の土の状態を見て行い、穴へ大量の水を流し込んで追い出そうとしないでください。
被害の位置を簡単な見取り図にします。通路、畝の端、堆肥を置く場所などとの関係も分かると、再発した場所を比べやすくなります。小さな範囲の表面を軽く戻し、再び盛り上がるかを見ることは活動の手掛かりになりますが、それだけで動物の種類や通路全体を確定することはできません。
日付を付けて記録すると、以前できた土の筋を新しい活動と取り違えにくくなります。苗が回復して新しい被害が出ないなら、器具を増やす前に観察を続ける選択もあります。植物の根を守ることを最初の目的にしましょう。
作業前の一枚を残す
土を戻す前に、苗全体と根元を同じ方向から撮ります。記録する対象を一株か小さな区画に絞ると、翌回の比較がしやすくなります。
茎を握って押し込むのではなく、周囲の土を少しずつ寄せて株元を支えます。根が切れているかを確かめるために健康な苗を何度も抜き上げないでください。
回復を見る期間は作物の様子で考える
土を戻した直後だけで成功や失敗を決めず、次の見回りでも葉の張り、傾き、新しい浮きがないかを見ます。水やりは普段の栽培管理に沿って行い、穴を埋める目的で流し続けません。
弱った苗をすぐ肥料で回復させようとせず、根が土に落ち着いているかを優先します。枯れが広がる場合は土壌や病害を含む栽培相談も検討します。
戻した場所と触っていない場所を分ける
見取り図には土を軽く戻した部分へ印を付け、日付を添えます。再び隆起したら新しい活動の手掛かりにはなりますが、地下全体が分かったわけではありません。
比較のために多数の穴をつぶしたり深く掘ったりする必要はありません。苗の根から離れた見やすい表面を中心に、同じ条件で観察できる小さな範囲を選びます。
GUIDE 03
小さな栽培区や容器で、守れる範囲を考える

以下は家庭の小さな栽培区を管理しやすくするための編集上の提案です。公的資料で容器への移行や地下障壁の効果を保証するものではありません。
被害が繰り返される小さな苗床では、鉢や管理しやすい栽培容器に移す方法も選択肢です。底や置き場所を点検できるようにし、排水を塞がないことが重要です。植物に合わない浅い容器へ無理に移すのではなく、育てる作物に必要な根の空間を確保します。
地中へ防護資材を入れる方法は、設置の深さだけでなく、継ぎ目、端、地形、周囲の構造によって限界が変わります。どこでもこの深さなら完全に防げるという数字を当てはめないでください。広い範囲を深く掘る作業は、根や埋設物への影響もあるため、家庭菜園で安易に始めないようにします。
菜園全体の動物をいなくすることと、小さな栽培区で苗を育てることは同じではありません。繰り返し被害を受ける場所を絞り、無理なく手入れできる方法を検討するほうが実行しやすい場合があります。
移す前に作物と容器の相性を確認する
移植に向かない時期や作物もあるため、被害がない株まで一斉に移す必要はありません。これから育てる苗を別の管理しやすい場所に置く方法もあります。
容器は根が伸びる深さと用土量を確保し、重くなっても安全に置ける位置を選びます。地面から離したから必ず被害がなくなるとは考えず、底と周囲を見られる状態にします。
排水口を塞いで守ろうとしない
底を閉じれば安全という発想で排水穴をふさぐと、水が抜けず栽培に支障が出ます。資材を追加する場合は容器の使い方と排水を確認し、外れた端や鋭い部分で手を傷めないようにします。
細かな網を何重にも入れる前に、掃除や点検ができるかも考えてください。図の坑道と根の位置は模式であり、実際の深さを測る目安には使えません。
地下の施工は小さな観察と分ける
防護資材を埋めるための掘削は、苗の土を軽く戻す作業とは規模が異なります。配管、電線、排水、隣地との境界が不明なら着手せず、所有者や管理者に確認します。斜面や大きな樹木の根の近くも自己判断で掘りません。
必要な場合は現場を確認できる専門家に相談し、完成後に継ぎ目や端を点検できる計画にしてください。
GUIDE 04
音や振動を試すなら、被害の記録で判断する

風車、振動、音、忌避剤などが紹介されることがありますが、どの庭でも確実に追い出せるとはいえません。試す場合は使用方法を守り、設置した日と苗の被害を記録します。土の筋が一時的に見えなくなっただけで、完全にいなくなったとは判断しないでください。
効果が分からないまま器具を増やすと、費用と管理の負担だけが大きくなることがあります。根菜のかじり跡が続くなら、モグラ対策の強化より、ネズミや土壌害虫を含めた原因の再確認が必要です。
餌になるミミズを一掃するために薬剤をまくことや、穴へ煙、刺激物、大量の水を入れる方法は勧めません。土の中の生き物や作物へ余計な影響を与えず、栽培場所の保護と観察を中心に進めます。
器具を使う前の状態を残す
音や振動の器具を使う場合は、設置前の被害株と土の状態を記録します。設置後は土の筋が減ったかだけでなく、新しく浮いた苗があるかを比べます。
同時に植え替えや大きな整地をすると、どの変化が関係したのか分からなくなります。比較のために被害を放置する必要はなく、苗を守る作業と器具の開始日をそれぞれ記録します。
強くすればよいとは考えない
音量を上げる、器具を増やす、表示より多く薬剤を使うといった変更で効果を補おうとしません。周辺の住まいへの音や、子どもが触れる場所の安全も確認します。
製品は対象動物、使用場所、使用量や間隔、設置と保管の注意を現物表示で確かめます。用途が不明なものは販売元などへ確認し、食品や家庭用薬品を混ぜて自作の忌避剤にしません。
被害が止まった後も観察を区切る
新しい浮きがない日が続いたら、器具が効いたと即断せず、天候や栽培作業の変化も記録します。作付けを変えたときや大雨の後には、同じ場所の根元と土の状態を再確認します。
使わなくなった資材は説明に従って片付け、地面に残した部品を踏まないようにします。別の場所へ動いたと断言することも、見ていない限り避けてください。
GUIDE 05
捕獲器を買う前に、地域の扱いを確認する

鳥獣の捕獲には制度があり、農林業に関わるモグラなどには例外が設けられる場合もあります。ただし、家庭菜園なら誰でも、どの種類を、どんな方法で捕まえてもよいと一律にはいえません。対象、場所、目的、方法を自治体へ確認してください。
相談には、土の盛り上がりの写真だけでなく、実際の苗の傷みや根菜の食害の写真も用意します。植物が浮く被害なのか、食べられる被害なのかが分かると、対策の相談が進めやすくなります。
地表に出たモグラを見つけても、素手でつかんだり追い詰めたりせず距離を取ります。必要な対応が分からない場合は、所在地の自治体の鳥獣・農政担当などへ相談します。
農業向けの例外を家庭菜園へ自動で当てはめない
福島県の案内では、農業や林業の事業活動に伴い、やむを得ず捕獲するモグラ科・ネズミ科について許可の例外が説明されています。これは穴を見つけた誰もが自由に捕れるという意味ではありません。
趣味の菜園がその条件に当たると自己判断せず、所在地の担当へ活動内容と対象を説明して確認します。農業向け資料の捕獲手順だけを切り取って実行しないでください。
相談する時点を決めておく
土を軽く戻しても同じ苗床で繰り返し苗が浮く、傷んだ株が増える、かじり跡も続いて原因が分からない場合は、器具を買い足す前に相談します。自治体の鳥獣・農政担当には動物と制度の相談、園芸や栽培の窓口には根や土の状態を含む相談と、知りたい内容を伝えます。
相談や現地対応、費用の扱いは地域で異なるので、無料で必ず来てもらえるとは考えません。
写真と試した対策を一枚にまとめる
場所の概略、作物、被害を見つけた日、新しく傷んだ株数、土を戻した範囲を整理します。写真は全景と根元の近景を用意し、同じ場所の変化が分かるようにします。
捕獲を考えている場合は種類が未確認であること、子どもやペットが通ること、借りた畑であることなども伝えます。自己判断で捕まえて別の土地へ運ぶ前に、必要な手続きと対応を確認してください。
植え付けと土を戻した日を起点に見直す
全国共通の月別予定で動物の活動を決めず、植え付け、被害発見、土を戻した日を記録の区切りにします。見回りでは新しく浮いた苗、根の露出、葉の状態、根菜の欠損を分けて書きます。観察できなかった日は未確認として、被害がなかった日と混同しません。
次の作付けを決める前に、どの区画で被害が続いたかを振り返ります。守る苗床を小さくする、点検できる場所に変えるなど、手入れを続けられる方法を考えてください。記録は捕獲を決めるためだけでなく、何も増やさず観察を続けてよいかを相談する材料にもなります。
よくある質問
モグラがサツマイモを食べたのでしょうか?
モグラによるトンネルと、直接かじる被害は分けて考えます。ネズミや土壌害虫なども候補にし、食べ跡と周囲の状況を調べてください。
盛り上がった場所を全部踏みつぶせばよいですか?
苗の根を傷めるおそれがあります。必要な部分の土を軽く戻し、再発の場所を記録します。畝全体を強く踏み固める方法は避けます。
穴があっても作物が元気なら、すぐ捕獲が必要ですか?
まず実際の被害があるかを確認します。捕獲を最初の手段とせず、観察と栽培区の保護を行い、必要に応じて地域の担当へ相談します。
参考資料・編集について
2026年10月22日、東京都・千葉県のPDFの食性と被害、坑道に関する本文、環境省と福島県の捕獲制度のHTML本文を確認しました。農業向け資料の捕獲・薬剤処理はそのまま家庭菜園へ勧めていません。観察記録、苗の保護、容器の検討は家庭向けの編集提案です。実体験、専門家の監修、現物診断や効果の保証を示す記事ではありません。
表紙と本文の水彩挿絵はAIで生成した説明用イメージです。実際の被害写真、生き物の同定図、施工図や製品仕様を示すものではありません。判断表と点検手順は編集資料であり、実体験や専門家による現物診断を示すものではありません。


