鳥・動物の被害対策 / 暮らしの園芸図鑑

菜園のネズミ被害対策|かじり跡・隠れ場所・餌の管理を確認

根菜の欠損と地面の穴を別々に観察。ネズミの種類を安易に断定せず、餌・保管物・隠れ場所の管理から被害を減らす手順を紹介します。

ネズミ類と菜園を描いた水彩イラスト
AIで制作した説明用の挿絵です。実際の被害写真ではなく、姿や食べ跡だけで原因を確定するための画像ではありません。

ネズミ対策を始める前の確認事項

見分け
穴、糞、かじり跡だけで種類を確定しません。姿を見た記録と作物の被害を分けます。
最初の対策
落ちた種や収穫残さを片付け、種・飼料・収穫物を丈夫な容器で保管します。
衛生
糞尿を素手で触らず、乾いたまま掃いたり掃除機で吸ったりしません。
侵入予防
資材の下、扉、継ぎ目、配管周りを点検し、管理できる小区画から守ります。
再確認
古い傷と新しい欠損を区別し、同じ場所と方向の写真で比較します。
相談条件
屋内侵入、配線の傷み、広い汚染、継続する食害、捕獲や薬剤の検討時は専門窓口へ。

被害の状態から次の確認を選ぶ

種類を確定する診断表ではありません。姿と被害の情報を分け、分からないものは未確定として扱います。

今の状態確認する場所次の行動
根菜に欠けた部分がある形・位置・周囲の痕跡動物以外の原因も含め記録
穴だけが見つかった新しい掘り跡と作物の状態穴の大きさだけで同定しない
袋の種や飼料が散らばる容器・ふた・保管場所餌を片付け丈夫な容器へ
糞尿が見つかった汚染の広さと人の動線接触を避け安全な清掃を相談
小区画でも被害が続く端・扉・継ぎ目と新しい傷囲いを点検して記録を比較
家の中や配線に痕跡建物側の場所と日時管理者・衛生担当へ早めに相談

GUIDE 01

地中で食べられていても、モグラとは限らない

姿の特徴を確かめる際の説明用イメージです。同定に使える写真ではありません。
姿の特徴を確かめる際の説明用イメージです。同定に使える写真ではありません。

サツマイモや落花生、根菜が土の中で欠けていると、近くにある穴が気になります。しかし、穴を作った動物と作物を食べた動物が同じとは限りません。モグラの坑道をネズミが使う場合もあるため、土の盛り上がりだけを見て原因を決めないようにします。

被害を受けた作物名、かじられた位置、欠損の広がり、周辺の穴やふんを写真へ残します。細い溝のような歯形に見える線は手掛かりですが、それだけで必ずネズミとはいえません。ナメクジ、土壌害虫、腐敗などが関係する場合もあります。

野外のハタネズミやアカネズミなどと、家屋周辺で問題になるドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミでは、生息場所や食性が異なります。小さな穴やふんだけで種類まで決めず、畑だけの被害か、物置や住居にも痕跡があるかを分けて記録しましょう。

姿の特徴も複数を組み合わせる

家屋周辺ではドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミなどが問題になります。横浜市の案内は体の大きさ、耳、体に対する尾の長さ、生息場所を比較しています。

ただし、一瞬の目撃や幼い個体では判断しにくく、庭にいたからドブネズミ、屋根にいたからクマネズミと決めることはできません。安全な距離から撮れた写真と場所を専門窓口へ伝え、判別できない部分を残します。

古い被害を新しい被害と数えない

欠けた作物を見つけたら日付と株の位置を残し、同じ傷を翌日も新しい食害として数えないようにします。全景と近景を分け、根菜の上側・地際・地下のどこが傷んだかも記します。

撮影のために糞を並べたり、穴へ手を入れたりしません。穴の数を頭数に置き換えることもできず、見えない地下のつながりは推測として扱います。

モグラの活動と食害を分ける

モグラは根や根菜を食べません。土の中の小動物を食べ、掘った通り道をネズミが利用する場合があります。

土の盛り上がりと根菜の欠損が同じ畝にあっても、一つの原因とは限りません。苗が浮いた被害、食べられたように見える被害、腐って崩れた部分を別々に記録し、動物だけで説明できないときは栽培の相談も行います。

GUIDE 02

食べ残しと、保管している餌を片付ける

片付けと保管を見直した日を記録します。
片付けと保管を見直した日を記録します。

最初にできるのは、落ちた種、食べ残し、放置した収穫物を片付けることです。適期に収穫した後も畝を長く放置せず、残った作物や資材を整理します。家庭菜園の周辺にペットの餌や鳥の餌がこぼれていないかも確認します。

保管する種、収穫物、飼料などは、ふたが閉まる丈夫な容器へ入れます。袋の口を結ぶだけでは破られる場合があります。容器の周りを掃除しやすくし、こぼれた粒や新しいかじり跡が分かる状態にしておきましょう。

ふんや食べ残しを素手で扱わず、道具や手袋を使って地域の方法に従って処理します。作業後は手を洗い、ふんを肥料として畑へ混ぜないでください。かじられた収穫物を、傷んだ部分を取れば必ず食べられると判断することも避けます。

毎日の片付けと保管を一組にする

収穫後は傷んだ実やこぼれた種の場所を確認します。片付けた物を開いた袋のまま畑の端へ移すだけでは、餌の場所を変えることになります。回収物は地域の処分方法に沿って扱い、保管容器のふたと底も点検してください。

堆肥化する場合も、食べ物を露出させたままにせず管理方法を見直します。近隣の敷地へ無断で入り片付けることはしません。

糞尿の清掃ではほこりを立てない

姫路市の衛生案内では、糞尿がある場所を掃いたり掃除機で吸ったりせず、湿らせて拭き取ること、マスクと手袋を着け、清掃後に手を洗うことが示されています。これは感染の有無を目で判断できるという意味ではありません。

土へ大量の水や消毒薬を流す方法に置き換えず、広い汚染や狭い物置内では作業を始める前に衛生担当へ清掃方法を相談します。

食べる物と作業道具を分ける

汚染が疑われる収穫物を調理台や保存容器へ持ち込まず、食用に回す前に扱いを相談します。傷んだ部分を切れば必ず安全とは判断しません。清掃用の道具を収穫や調理に兼用せず、使用後の扱いも確認してください。

咬まれた場合や接触後に体調不良がある場合は、状況を伝えて医療機関へ相談します。病名を記事や糞の外観から自己診断しないことが大切です。

GUIDE 03

草と積み上げ資材を見直し、隠れ場所を減らす

種や収穫物の保管、資材周りの整理を考える説明図です。罠や毒餌の使用例ではありません。
種や収穫物の保管、資材周りの整理を考える説明図です。罠や毒餌の使用例ではありません。

畝の周囲に茂った草、使わない板、鉢や袋の積み重ね、物置の脇を点検します。餌を片付けても、身を隠せる場所がすぐ隣にあれば、様子を確かめにくくなります。必要な資材は整理して置き、地面や壁際を確認できるようにします。

草刈りや片付けは自分が管理する土地で行い、隣地へ無断で入らないようにします。巣や動物に接触しそうな場合は、急に手を入れたり追い詰めたりせず距離を取ってください。作業で危険があるときは、自治体などへ相談します。

整理の前後を写真で残すと、どこに新しい穴や食べ残しができたか比べやすくなります。畑全体を一度に変えるより、被害の多い畝と周囲の通路から進めると、管理を続けやすくなります。

通路から点検できる並べ方にする

板や鉢を片付けるときは、重い物を急に持ち上げず、見える範囲から少しずつ進めます。手を差し込まないと裏側が見えない積み方を避け、床や壁際の様子を確認できる余地を残します。

収納を増やすより、使っていない資材を減らす方法も考えてください。除草後の草をその場に厚く積み直さず、日付と整理した範囲を記録します。

巣や動物を見つけたら作業を止める

資材の下に動物や巣らしい物がある場合、つかんだり犬や猫に追わせたりしません。子どもやペットを近づけず、場所の写真を安全な範囲で残して相談します。

足場が悪い物置や屋根裏へ自分で入り込む必要もありません。隣家との境界、共用倉庫、借りた畑は管理者に連絡し、どこまで作業できるかを確認してから環境を整えます。

見回りは同じ場所を短く続ける

毎回違う場所だけを探すより、被害のあった畝、保管容器、資材置き場の三か所など確認点を決めます。新しい傷や散乱がなければその事実を記し、見なかった日は未確認とします。雨や収穫、除草で痕跡が消えることもあるため、何も見つからない一日だけでいなくなったと断言せず、次の作業時にも確認します。

GUIDE 04

小区画を守る資材は、隙間と強度を確認する

保管場所と周囲を点検します。網目や施工寸法を示す図ではありません。
保管場所と周囲を点検します。網目や施工寸法を示す図ではありません。

育苗部分や小さな栽培区を保護する場合は、対象に合った資材を選び、裾、継ぎ目、出入口を点検します。鳥用の網をそのまま使えばネズミも必ず防げるとは限りません。通り抜ける隙間だけでなく、かじられやすさや固定の強さも関係します。

容器や囲いの外周へ作物を押し付けず、成長後の状態も見ます。地面との境目や支柱の脇に隙間がないか、作業後に入口を閉めたかを確認してください。内部に動物がいないことを確かめ、捕まえるためにたるんだ網を仕掛けないようにします。

被害が続くときは、網を増やす前に新しい食べ跡の位置と時間を調べます。物置にも侵入がある場合は、菜園だけの対策では足りないことがあるため、住居・生活衛生の相談先にも状況を伝えます。

網目だけでなく全体の連続性を見る

網の一部分が細かくても、扉の下や継ぎ目が開いていれば小区画全体を守れません。対象と用途に合った資材かを販売元へ確認し、かじられた部分や緩んだ固定箇所を点検します。

挿絵は施工仕様ではなく、網目の寸法や埋める深さを読み取るためには使えません。排水口や必要な通気まで塞ぐ方法は避け、手入れを続けられる範囲を選びます。

建物の穴は菜園の囲いと分けて相談する

配管周り、換気口、戸の隙間に痕跡があっても、設備の機能を確認せず詰め物で塞がないでください。内部に動物がいるか不明な場合も、閉じ込めないよう専門家へ相談します。

配線のかじり跡や焦げた臭いなど異常があるときは触ったり通電して確かめたりせず、管理者や設備の専門業者へ連絡します。畑の対策だけで建物の問題も解決したとは考えません。

補修後は新しい痕跡で評価する

補修した日、直した箇所、残っていた傷を記録し、次の見回りで新しい食害や散乱があるかを確認します。対策を一度に増やすと変化の理由が分からなくなるので、安全な片付けを続けながら点検箇所を明確にします。被害が続くときは網を重ねるだけで対応せず、原因の見立てと保管場所を含めて相談してください。

GUIDE 05

毒餌や罠を置く前に、種類と使用場所を相談する

菜園と建物の痕跡を分け、相談用に記録します。
菜園と建物の痕跡を分け、相談用に記録します。

殺そ剤には、子ども、ペット、野鳥などによる誤食や、雨で流れる危険があります。対象や使用場所の違う製品を、ネズミなら何でも同じと扱わないでください。この記事では、自作の毒餌、配合、畑への散布量といった方法は紹介しません。

捕獲の扱いも種類、場所、目的、方法によって確認が必要です。農林業に関わる例外や家屋性のネズミの扱いを、野外のネズミすべてへ広げて『許可不要』と判断しないようにします。罠や薬剤を先に買うより、被害写真と位置、時間の記録を持って自治体や農業普及担当へ相談してください。

超音波だけで確実に解決できると考えず、効果を見ながら餌と隠れ場所の管理を続けます。猫を放して対策しようとする方法も、別の被害や動物への影響を生むため勧めません。原因と侵入経路を整理することが、無駄な対策を減らす助けになります。

三種類の例外を全てのネズミに広げない

千葉県の案内では、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは鳥獣保護管理法の対象外とされています。しかし野外の小動物をこの三種類と決めつけ、全て許可不要と扱うことはできません。

農林業の事業活動に伴う例外も、趣味の家庭菜園へ自動的に当てはめないでください。対象、場所、目的、方法を所在地の鳥獣担当へ伝え、必要な扱いを確認します。

製品の対象と場所を現物ラベルで確認する

家屋用の殺そ剤と農作物の防除に用いる製品を同じものとして扱いません。対象動物、使える場所、用法・用量、回収や保管の注意を現物表示で確認し、不明なら販売元や専門窓口へ相談します。

農薬を使う場合は対象作物への登録とラベルの使用条件を確認します。農林水産省は家庭菜園を含む住宅地周辺でも適用と表示の遵守を求めています。

購入より先に相談する条件を決める

屋内へ入る、糞尿の範囲が広い、片付けと保管改善後も新しい食害が続く、種類が分からないまま捕獲を考えている場合は相談の段階です。自治体の生活衛生・保健所、鳥獣・農政担当へ相談内容を伝えます。窓口によって助言や業者案内の範囲は異なり、無料の駆除を必ず受けられるわけではありません。

捕獲後の移動も自己判断しない

捕まえた動物を別の畑や公園へ運んで放すことを解決策にしません。種類と状態、捕獲した状況を担当へ伝えて対応を確認します。

罠や薬剤を追加する前に、子ども、ペット、野鳥が触れる可能性と、回収まで管理できるかを考えてください。食品や薬品を混ぜた毒餌、自作の危険な仕掛け、猫を放して追わせる方法は勧めません。

片付け・補修・再確認を一枚に記録する

日付、場所、作物、新しく傷んだ数、姿を見たかどうか、写真番号を並べます。片付けた餌、替えた容器、直した継ぎ目も別欄に書くと、相談時に対策の内容を伝えやすくなります。糞や穴だけの記録には種類未確定と添え、見に行かなかった日は被害なしとせず未確認にします。

収穫後、資材を動かした後、大雨の後などを再確認の区切りにします。月ごとの予定で被害を決めつけず、同じ場所の新しい傷と保管状態を比べてください。

記録するために餌を置いて誘い出す必要はありません。被害が止まった後も、容器のふたと片付けを続けることが基本です。

よくある質問

モグラをいなくすればネズミの食害も止まりますか?

それだけでは解決するとは限りません。ネズミが利用できる餌、隠れ場所、保管物、侵入口を別に管理します。

穴を全部塞いだのにまた開きます。どうすればよいですか?

新しい場所と日時を記録し、作物の被害も合わせて確認します。穴だけで種類を決めず、餌の管理と周辺の整理を行い、続く場合は写真を持って相談します。

ふんを見つけたらネズミの種類まで分かりますか?

大きさや形だけでは断定しません。食害、場所、映像などを合わせて判断材料にし、ふんは素手で触らないようにします。

参考資料・編集について

2026年10月22日、下記の東京都・千葉県の農業資料、環境省と自治体の捕獲・衛生案内、農林水産省の住宅地等の農薬使用通知を確認しました。農業向け資料の薬剤処理や捕獲手順を家庭菜園へそのまま勧めるものではありません。観察と再確認の手順は編集上の提案です。実体験、専門家の監修や現物診断、効果の保証を示す記事ではありません。

困りごとの鳥・動物案内へ

表紙と本文の水彩挿絵はAIで生成した説明用イメージです。実際の被害写真、生き物の同定図、施工図や製品仕様を示すものではありません。判断表と点検手順は編集資料であり、実体験や専門家による現物診断を示すものではありません。